栽培上の注意点
ニンジンの栽培で最も難しいのは順調に発芽させること。
うまく発芽すれば栽培の半分は成功したようなもの。
雑草は早めに除去する。
ニンジンは生長が遅く、雑草の生長に負けてしまう為、小まめに除草を行う。

◎畑の準備
タネまきの2週間前までに完熟堆肥を1㎡当たり2~3kg。石灰(苦土石灰なら1㎡当たり100~150g)を施し20~30cm深さに耕起する。
10日ほど前に化成肥料(8-8-8なら1㎡当たり130gくらい)を施し耕起する
【時無五寸人参】

巾70cm位のウネを作る。※深く耕起できない畑では必要に応じウネを高くする。
ポリマルチの利用は水分と肥料分の保持、雑草抑制等の効果が期待できる。

◎タネまき
ポイント1 土壌水分が大事、土が乾燥していると発芽が悪くなる。
タネまきの前日にウネに水をかけ土になじませておく。
ポイント2 タネを土に深く埋めすぎると発芽が悪くなる。
タネがかくれる程度に薄く土をかける。
ポイント3 タネと土を密着させる。
薄く土をかけたら上から押さえつけてタネと土を密着させる。
○条まき【時無し五寸人参】
・0.5~1cmの一定の深さのまき溝を20~30cm間隔で2条つける。(支柱などの棒を土におさえつけると良い)

・タネを1~2cm間隔くらいにまく。

まき溝の周りの土を指でつまむように寄せて
タネが隠れる程度の深さ(0.5cmくらい)に土をかける。

・その上を手のひらでたたいて、タネと土とを密着させる。

・その後、乾燥防止のため、土が隠れるくらいにモミ殻やワラ、寒冷紗などをかける方法もある。

○点まき【時無し五寸人参】
・株間 約10cm間隔、条間 20~30cmで1ヶ所に5~10粒タネをまく。
※ここでは地温上昇抑制の目的で白色ポリマルチを使用しているが、ポリマルチは無くても良い。

・タネが隠れる程度の深さ(0.5cmくらい)に土をかける。
・その上を手のひらでたたいて、タネと土とを密着させる。
ニンジンの発芽 適温でもタネまきから8~10日かかる。
◎間引き
・1回目 子葉が展開した頃、1~2cm間隔に間引く
雑草は早めに除去する。

・2回目 本葉2~3枚の頃、3~5cm間隔に間引く
2回目までの間引きは残す株の根を傷めないように地際からハサミで切り取る。



ニンジンの葉にはビタミンなど栄養が豊富、間引き株は天ぷらや油炒めの材料に利用できる。
◎追肥・土寄せ
最終間引きの後 8-8-8の化成肥料で1㎡当たり約50g施す
葉の付け根が埋まらない程度に株元へ土寄せする(青首を防ぐ為)
◎収穫
ミニ人参はタネまきから約70~80日から
五寸人参はタネまきから約100~120日から収穫となる
太いものから順次収穫する。

コンテナ栽培(鉢栽培)
ミニ人参は15cm程度深さがある容器なら小さな鉢やプランターなどでも比較的簡単に育てられます。
準備するもの
・タネ
・15cm以上の深さがある栽培容器(ここでは直径10.5cm×深さ12cm 容量 約1リットルのポリポットを使用しています。)
・用土(市販の培養土を利用すると便利。)
・土入れ
・ジョウロ、霧吹き

土を詰める
ポイント 培養土は湿らせておく
(手のひらでギュっと握りしめるとある程度は固まり、そのかたまりを指先でつつくと簡単にほろりと崩れる位の湿り気を持った状態の培養土が良い。)



栽培容器の縁から2cm位あけて用土を詰める

タネをまく
用土に指を押し付けて3ヶ所まき穴を付ける

小さなタネは紙を三角に折ったものにタネを少量ずつ移し取ってまくとまきやすい。

タネを各まき穴に4~5粒まく

蒔き穴の周りの土を寄せてタネが隠れる程度の薄さで土をかける
深く埋めすぎないように

ポイント タネと土を密着させるように指先で押さえる

タネまき後は霧吹きで土の表面を湿らせる。

タネまきの翌日ジョウロでたっぷり水をやる。

適温で管理した場合発芽まで10~15日かかります。
ポイント 水の与えすぎは厳禁。
水を与えすぎると、タネが腐って発芽しなかったり、せっかく発芽しても根腐れを起こしてしまいます。水やりは土の表面が乾いたら行う。
間引き
1回目 本葉1~2枚の頃 1か所2~3本残して間引く

2回目 本葉4~5枚の頃1か所1本に間引く。

追肥
2回目の間引きの後、
化成肥料8-8-8を1~2g程度(培養土1リットルに対して化成肥料 約1gが目安)追肥を施し土寄せを行う。
収穫
タネまきから70~80日後に収穫となります。