改良早生節成きゅうりの育て方(1例)
(かいりょうわせふしなり)
ウリ科
発芽地温20~30℃
生育適温15~25℃
注意点
①つる割れ病、半身萎凋病などを回避するためにウリ科の連作は避ける。
②過乾燥、過湿に弱い。
③収穫遅れに注意し、早採りを心がける。
④適切に追肥を施し肥料切れに注意
畑の準備
苗植え付けの2週間以上前に1㎡当たり100~150gの苦土石灰を全面に散布して耕して土と混和させます。
苦土石灰の代わりにカキ殻石灰(有機質石灰)を使用してもよいでしょう。
(効果が穏やかで多少多めに施してしまっても作物への悪影響が少ない。)
苗植え付けの1週間位前までに、完熟たい肥を1㎡あたり2~4kg、
チッソ・リン酸・カリの各成分をそれぞれ8~10%含む
化成肥料を1㎡あたり100~150g程度を全面に施してよく耕す。
70~80cm幅の畝を作ります。
目標のウネ幅で、目印となる紐を張り、紐の両側からクワなどで土を寄せ上げる。
※水はけの悪い畑はウネを高くする。
表面を平らにならす
マルチフィルムを張る。
※マルチフィルムは必ずしも必要はありませんが、利用することにより、雑草の防止、土壌水分の保持、雨水の跳ね上がり防止による病気感染の予防などの効果が期待できます。マルチフィルムを張る時は土が十分湿った状態の時が良い。(出来れば雨が降った翌日)
※農業用マルチフィルムの主な種類と効果 :目的によって使い分けます。
・透明マルチ:地温確保効果は最も高いが雑草抑制効果はない。
・黒色マルチ:地温確保、雑草抑制。
・シルバーストライプ黒色マルチ:地温確保、アブラムシやアザミウマなど害虫の飛来抑制
・シルバーマルチ:地温上昇を抑制、アブラムシやアザミウマなど害虫の飛来抑制
・白黒マルチ:地温上昇を抑制、雑草抑制
支柱立て
株間40cm~50cmで植えつけることを想定して、
手を伸ばして届く位の高さ(1.5m~2mほど)の支柱を立てておきます。
タネまき(育苗)
発芽温度が25~30℃と比較的高いので、ビニールポットなどで苗を育て、
畑に苗を植える方が管理しやすいです。
※十分に暖かくなれば直まきでも出来ます。
地温が低いと発芽が悪くなります。タネまきから発芽まで最低20℃以上の温度を保つ工夫が必要、タネまきは藤の花の満開以降が温度管理しやすい。
種まき方法
・育苗ポットにタネ蒔き培土を詰める(市販の培養土を使うと便利)
☆point 培養土は湿らせておく
(手のひらでギュっと握りしめるとある程度は固まり、
そのかたまりを指先で押すと、かるく崩れる位の湿り気を持った状態が良い。)
3号(9cm)ポットに八分目位まで培養土を入れる
1ポットに1粒タネをまく
・各ポットに1粒ずつタネをのせる
・約1cmの深さまでタネを押し込む(人差し指の爪が隠れるくらいの深さが目安)
・まき穴の周りの土をつまみ寄せる要領で土を被せる
・土とタネが密着するように上からかるく押さえつける。
好適条件でタネまき後4日位から発芽
・本葉2~3枚まで育苗
植え付け
1.苗の植え付けを行う当日の朝に苗に水をやっておきます。
バケツなど適当な容器に水を張ります。
ポリポット苗をポットごと水に沈め、ポットの中の空気がブクブクと抜けるまで浸します。
バケツから取り出し、日陰で2~3時間放置しておく。
2.植え穴をあける
40cm~50cm間隔で、移植ゴテなどを使って、根鉢が入るくらいの穴を掘ります。
※根鉢とは:苗が育ってくるとポットの中では土を抱えるように根がしっかりと張ります。
このような苗をポットから抜くと、土と根がひと塊になって抜けてきます。
これを「根鉢」といいます。
3.植え穴に水を注ぐ
開けた植え穴に水をたっぷり入れ、水がひくまで待ちます。
4.根鉢を崩さないように苗をポットから取り出す
苗の根元近くを人指し指と中指で挟んで逆さにし、ポットの底の側面を軽く押すと簡単に取り出すことができます。
根鉢は崩さないように注意しましょう。
5.苗を植える
苗を植え穴に置いたら、根鉢と周りの土を密着させるように土を寄せ、
株元が少し盛り上がる程度の深さになるように植え付けます。
極端な深植え、浅植えにならないように注意し、土を被せて軽く押さえます。
※植え付け直後は水遣りを控えます。
水をやらないことで、根は水分を求めて深く伸びようとするからです。
※植え付けごアブラムシが大量発生することがあるので、要注意。
よく観察して早めの発見、早めの防除に努める。
摘芯・整枝
つるの根元から5~6節目から出たわき芽(子づるといいます)はすべて摘み取り、それ以上の節から出た子づるを伸ばします。
雄花
雌花
追肥
収穫が始まったら追肥します。
肥切れしないように、2週間に1回程度、
化成肥料(8-8-8)を1㎡あたり30g程度、通路に施す。
果実の長さが20cm前後を目安に収穫します。
早めの収穫を心がけ、よく見てとり残しの無い様に注意する。
手が届きにくい高さまでつるが伸びたら先端を摘み取る(摘芯)。
水分や肥料分が不足すると形の悪いキュウリが増えてくる。
水やりと追肥を施し草勢の回復を図る。