アスパラガスの育て方 (一例)
分類:ユリ科
発芽適温:20~30℃前後
生育適温:15~25℃前後
注意点
・植え付けから収穫まで長期間必要。収穫は植え付けてから3年目頃からとなる
・一度植え付けると、同じ場所で5~10年収穫を続ける事が出来るため、移動しなくても良い栽培場所に作付ける。
タネまき 「ポット育苗」
(直まきもできますがポット育苗して苗を植え付けた方が管理しやすい)
ポットに市販の培養土を詰める
1ポットにつき4粒のタネを等間隔で置く
1cm位の深さ(第一関節の半分くらいの深さ)までタネを土に押し込む
穴の周りの土をつまむような要領で土を寄せてタネを埋める
上から押さえてタネと土を密着させる
吸水しにくい種の為、適温でも発芽まで2~3週間かかります。
草丈20~30cm本葉3~4枚になったら株間40~50cm間隔に植え付けます
畑の準備
植え付けの2週間以上前に1㎡当たり100~150gの苦土石灰を全面に散布してよく耕して土と混和させます。
苦土石灰の代わりにカキ殻石灰(有機質石灰)を使用してもよいでしょう。(効果が穏やかで多少多めに施してしまっても作物への影響が少ない。)
1週間位前に、60~70cm幅に、ウネの目印となる紐を張り、完熟たい肥を1㎡あたり2~3kg、チッソ・リン酸・カリの各成分をそれぞれ8~10%含む化成肥料を1㎡あたり約100~150g施してよく耕します。
紐の両側からクワなどで土を寄せ上げる。
※水はけの悪い圃場はウネを高くする。
表面を平らにならす
必要に応じてマルチフィルムを張る。
※マルチフィルムは必ずしも必要はありませんが、利用することにより、雑草の防止、土壌水分の保持、雨水の跳ね上がり防止による病気感染の予防などの効果が期待できます。マルチフィルムを張る時は土が十分湿った状態の時が良い。(出来れば雨が降った翌日)
※農業用マルチフィルムの主な種類と効果 :目的によって使い分けます。
・透明マルチ:地温確保効果は最も高いが雑草抑制効果はない。
・黒色マルチ:地温確保、雑草抑制。
・シルバーストライプ黒色マルチ:地温確保、アブラムシやアザミウマなど害虫の飛来抑制
・シルバーマルチ:地温上昇を抑制、アブラムシやアザミウマなど害虫の飛来抑制
・白黒マルチ:地温上昇を抑制、雑草抑制
・有孔マルチ:あらかじめ植え穴があいているマルチフィルム(条数や植穴の間隔、穴の大きさなど様々な規格のものがあり栽培する野菜の種類によって使い分ける事が出来る。)
植え付け(ポット育苗の場合)
・苗の植え付けを行う当日の朝に苗に水をやっておきます。
バケツなど適当な容器に水を張ります。
ポリポット苗をポットごと水に沈め、ポットの中の空気がブクブクと抜けるまで浸します。
・植え穴をあける
40~50cm間隔で、移植ゴテなどを使って、少し深めの植え穴を掘ります。
・植え穴に水を注ぐ
開けた植え穴に水をたっぷり入れ、水がひくまで待ちます。
・根鉢を崩さないように苗をポットから取り出す
苗の根元近くを人指し指と中指で挟んで逆さにし、ポットの底の側面を軽く押すと簡単に取り出すことができます。根鉢は崩さないように注意しましょう。
・苗を植える
苗を植え穴の中に置いたら、根鉢と周りの土を密着させるように土を寄せ、軽く押さえ安定させます。
※植え付け後は水遣りを出来るだけ控えます。
水をやらないことで、根は水分を求めて深く伸びようとするからです。
追肥
1回目、植え付けの1ヶ月後、ウネのわきに化成肥料(8-8-8)を株あたり20g程施し、土寄せする。
2回目、1回目の追肥から1ヶ月後、同様に肥料を施す。
支柱立て
株が大きく成長し始めたら風で倒れないように支柱を立てる。ウネを囲うように支柱を立て、株の大きさに合わせた高さにひもを張ります。
冬の管理
地上部の茎葉が黄化して枯れて来たら地際10㎝位で刈り取って畑の外へ処分します。防寒対策として、1㎡あたり2kg程の堆肥を土と混ぜながら、株を隠すようにウネに乗せるとよいでしょう。
翌春からの管理
早春、茎が出てきたら畝全面に化成肥料(8-8-8)を1㎡あたり150g程施す。その後、9月まで月1回、化成肥料(8-8-8)を1㎡あたり約30g追肥する。
収穫
植え付け後3年目以降の春から収穫できます。伸びてきた若茎が20~25cm程に育ったら地際から刈り取り収穫します。1回の収穫量が減り始めて来たら株を育てるために、太い芽を10~15本残して成長させ来年のために養分を蓄えさせます。
その後追肥を施す、支柱を立てる、初冬に地上部を刈り取り処分する、などの作業を毎年繰り返します。
アスパラガスの花
アスパラガスの実