千両二号なすの育て方(1例)
ナス科
発芽適温20℃~30℃
生育適温15℃~30℃
注意点
・連作を避けるため、ナス・トマト・ピーマン・トウガラシ・ジャガイモなど
ナス科の野菜を4~5年栽培していない場所を選ぶ。又は、接ぎ木苗を用いる。
・栽培期間が長いので、堆肥などを多めに施す。適度に追肥を施し肥料切れにならないように注意する。
・日あたりと水はけの良い場所に作付ける。
・高温を好むため、畑への植え付けは十分気温が上がって遅霜の心配が無くなってから。
畑の準備
苗植え付けの2週間以上前に1㎡当たり100~150gの苦土石灰を全面に散布して耕して土と混和させます。
苦土石灰の代わりにカキ殻石灰(有機質石灰)を使用してもよいでしょう。
(効果が穏やかで多少多めに施してしまっても作物への影響が少ない。)
苗植え付けの1週間位前までに、完熟たい肥を1㎡あたり3~4kg、
チッソ・リン酸・カリの各成分をそれぞれ8~10%含む化成肥料を
1㎡あたり100~150g程度を全面に施してよく耕す。
70~80cm幅の畝を作ります。
目標とするウネ幅で、目印となる紐を張り、紐の両側からクワなどで土を寄せ上げる。
※水はけの悪い畑はウネを高くする。
表面を平らにならす
目的に応じてマルチフィルムを張る。
※マルチフィルムは必ずしも必要はありませんが、利用することにより、雑草の防止、
土壌水分の保持、雨水の跳ね上がり防止による病気感染の予防などの効果が期待できます。
マルチフィルムを張る時は土が十分湿った状態の時が良い。(出来れば雨が降った翌日)
※農業用マルチフィルムの主な種類と効果 :目的によって使い分けます。
・透明マルチ:地温確保効果は最も高いが雑草抑制効果はない。
・黒色マルチ:地温確保、雑草抑制。
・シルバーストライプ黒色マルチ:地温確保、アブラムシやアザミウマなど害虫の飛来抑制
・シルバーマルチ:地温上昇を抑制、アブラムシやアザミウマなど害虫の飛来抑制
・白黒マルチ:地温上昇を抑制、雑草抑制
タネまき(育苗)
※たねまき時期、植え付け予定日の80日位前
※春早く、まだ温度の低いときは保温マットや育苗器など加温・保温が必要
・育苗箱に市販の種まき用培養土を詰める
・表面に割り箸などを押し付けて、深さ5mmほどのまき溝をつける
・タネを1~2cm間隔にまく。
・まき溝の両側の土をつまむような要領で土を寄せ0.5cmほど土を被せる
・土とタネが密着するように手のひらや木片などで上からかるく押さえつける。
20℃~30℃前後の比較的高温で管理
(日中30℃前後、夜間20℃位で温度差があった方が発芽しやすい)
※9cm位のポリポットに直接2~3粒まいても良い。
発芽したら、水分を控え、管理温度を20℃~25℃位に下げ徒長をおさえます。
本葉がのぞいた頃9cmポリ鉢に移植
本葉2枚頃12cm~15cmポリポットに移植。1番花がつく頃まで育苗する。
植え付け
1.苗の植え付けを行う当日の朝に苗に水をやっておきます。
バケツなど適当な容器に水を張ります。
ポリポット苗をポットごと水に沈め、ポットの中の空気がブクブクと抜けるまで浸します。
2.植え穴をあける
株間50cm~60cm間隔で、移植ゴテなどを使って、根鉢が入るくらいの穴を掘ります。
※根鉢とは:苗が育ってくるとポットの中では土を抱えるように根がしっかりと張ります。
このような苗をポットから抜くと、土と根がひと塊になって抜けてきます。
これを「根鉢」といいます。
3.植え穴に水を注ぐ
開けた植え穴に水をたっぷり入れ、水がひくまで待ちます。
4.根鉢を崩さないように苗をポットから取り出す
苗の根元近くを人指し指と中指で挟んで逆さにし、
ポットの底の側面を軽く押すと簡単に取り出すことができます。
根鉢は崩さないように注意しましょう。
5.苗を植える
苗を植え穴に置いたら、根鉢と周りの土を密着させるように土を寄せ、
株元が少し盛り上がる程度の深さになるように植え付けます。
極端な深植え、浅植えにならないように注意し、土を被せて軽く押さえます。
※植え付け直後は水遣りを控えます。
水を控えることで、根は水分を求めて深く伸びようとするからです。
土の表面が乾いたら灌水します。
芽かき・仕立て・支柱立て
1番最初に咲いた花(1番花)のすぐ下のわき芽を2本残し
それより下のわき芽はすべて摘み取り、主枝と合わせて3本仕立てにします。
※わき芽を1本だけ残しそりより下のわき芽はすべて摘み取り、主枝と合わせて2本仕立てにしても良い。
主枝に沿って支柱を立て、主枝にひもをかけて誘引していく。
茎は生長と共に太くなっていくのでそれを見越して余裕を持たせ、ゆるく誘引しておく。
支柱立て・誘引
側枝が伸びてきたら側枝に沿うように支柱を立て、枝が垂れないように誘引します。
水やり
ナスは水分を多く必要とする作物ですので、雨が少なく、暑さのきびしい時期は、
通路にしっかりと水をやります。常に通路部が湿っているくらいが理想です。
土の状態を見ながら適度に灌水おこないましょう。
※土の乾燥を軽減する敷きわら等も有効です。
収穫・追肥
一番果・二番果は、小さいうちに収穫し、株の負担を軽くして株の充実を図ります。
それ以降は果実の長さが12cm前後になったら収穫します。
収穫が始まったら、化成肥料(8-8-8)を1㎡あたり30g程度。株間か通路に施し、
その後は2週間に1回を基準に生育を見ながら施します。
※花を観察し株の状態の目安とすると良い。
株が疲れてきたら追肥や灌水の回数を多くするなどして株の回復を図る。
更新剪定
真夏になると暑さと乾燥で樹勢が弱って来ることがあります。
そのような時は早めに更新剪定を行い秋収穫に向けて樹勢の回復をはかります。
方法
7月下旬~8月上旬ごろに、主枝と全体の側枝を先端から3分の2程度、又は2分の1程度に切りつめます。
更新剪定の後、化成肥料(8-8-8)を1㎡あたり30g程度を施します。