しば部長の菜園作り豆知識
自然と共にあゆむ ~自然観察から春の作付け適期を知りましょう~

 作物栽培にとってタネまきなどの作業を適期に行なう事は、作物を上手く作るポイントとして、大変重要な事です。身の回りの自然の変化や、動植物の動きから季節の移り変わりを感じ、作物栽培にいかすなんて素敵な事だと思いませんか。
 信州では昔から、冬の間、山に降り積もった雪が春になり融けるに従って現れてくる山肌と残雪が作り出す模様を人の姿や動物などに見立てて(雪形(ゆきがた)と呼んでいます)農作業の目安にしてきました。(雪形には種まき爺さん、代掻き馬などの農事に関係する名前が多く付けられています。)
 雪形はその年の降雪量や気温の変化の程度などによって毎年現れる時期が異なります。自然条件に大きく影響される農業において、農作業の適期を知る上でこのような自然の変化を目安として来た事はとても合理的な考え方だと思います。



 四月下旬、伊那谷の伊那市富県から見た〈中央アルプス西駒ケ岳〉の写真です。
全体の形が見えるにはまだ半月ほど早いのですが、①あたりに【稗(ひえ)まき爺】と呼ばれる雪形が黒く現れます。粟(あわ)や稗(ひえ)、大豆などの種まき時期の目安とされていたといわれています。②のあたりには右下を向いた駒の形が黒く現れます。農耕馬の姿に見立て、春の農作業の目安とされてきたようです。また、駒ケ岳の命名の由来となったとも言われています。現在では今の季節に稲の育苗、田んぼの代掻き(しろかき:田んぼに水を入れて、土をかきならす作業)などの作業が始まっています。昔より半月からひと月近く農作業が早まっているようです。

★身近な動植物の動きからも季節を知る事ができます。

動植物の動き 気温の目安 作業の目安
梅の開花
6℃位
信州
伊那谷では、
4月上旬頃
最低気温が1~2℃、時にはマイナスになる事もあるこの季節、種まきにはまだ早い。
ジンチョウゲの開花
8℃位
信州
伊那谷では、
4月上旬頃
最低気温がマイナスになる事もなくなるこの季節、保温して育苗しておいたエンドウなどの豆類の定植。葉物野菜の種まきはじめ。
*レタス(Vレタス)
*しゅんぎく(中葉)
*初夏ほうれん草 など
スミレの開花
10℃位
信州
伊那谷では、
4月中旬頃
ツバメがそろそろやって来る頃。葉物野菜の種まき。
*サラダ水菜
*F1サラダキャベツ
*べんり菜  など
ソメイヨシノの開花
11℃位
信州
伊那谷では、
4月下旬頃
春蒔き大根の種まき。ビニールマルチやトンネルを利用した方が良い。(早期トウ立ちの回避)
*F1さくら大根
*時無大根
*おしん大根  など
フジの開花
15.5℃位
信州
伊那谷では、
5月中下旬頃
果菜類の苗の植え付け。冷涼地ではサヤエンドウやインゲンなど豆類の直まき。
*絹莢えんどう
*モロッコ菜豆
*白鳥枝豆  など
カッコウの初鳴き
17℃位
信州では
5月下~
6月上旬頃
サツマイモの植え付け(ビニールマルチ必要)スイートコーンの直まきはじめ。
*ハミーバンダム など
あじさいの開花
21℃位
信州
伊那谷では、
6月下旬頃
果菜類の露地直まき栽培。
*F1涼風きゅうり
*ゴーヤ(太れいし)
*長野青皮白瓜  など 

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